数多くいる天皇なんですが、歴史を読み返していますと、名前は同じなのに急に「◯◯上皇」や「◯◯法皇」に変わっていたりしませんか?
これって同じお方なの?って疑問になりますよね。
と言うことで今回は、天皇、上皇、法皇の違いを紹介して行きましょう。
※歴史上のことなので諸説あります。
この記事のあらすじ
天皇の祖先は神様!?
天皇は125代目となります。結構いますよね。
初代天皇は紀元前660年に即位した神武天皇とされていて、その日が、現在の暦で2月11日であり「建国記念の日」となりました。
天皇の系図は「古事記」「日本書紀」を参考にしており、さらに遡ると太陽を神格化した神様「天照大御神」ともされているのです。祖先は神様なんです。断定していいのかな…。
実際、実在がはっきりしているのは10代目崇神天皇からとも言われていて、それ以前は神話の世界の可能性もあるのです。
なぜなら、100歳を超えても生き続けている天皇が多かったからです。10代目以降も100歳越えは何人かいるのですが。
670年頃の天武天皇から「天皇」という呼び名が用いられるようになり、それ以前は「大王」と呼ばれていました。
平安時代までは、天皇が政治の頂点に君臨していましたが、平氏や源氏などの武士が力を持ち始め「武家政権」と変わっていきます。
そして1192年に鎌倉幕府が誕生し、武士が政治の実権を完全に握りました。
その約680年後の1868年、「大政奉還」で政権が天皇に返されたときに江戸幕府も終わり、武家政権も終わりを告げたのです。
上皇とは天皇の上?
上皇とは「太上天皇」の略称で、生前のうちに王位を後継者に譲った前天皇の呼び名ですね。
平安時代以降には、天皇が亡くなるという事態が懸念されるようになり、重態となるとすぐに王位を譲り上皇となるのですが、その直後に亡くなってしまうという状況も少なくなかったのです。
10日後、1週間後、さらには3日後に亡くなってしまった上皇もいたのです。
68代目後一条天皇にいたっては、亡くなるのがあまりにも急過ぎたためにその事実を隠し、王位継承の手続きを全て終わらせてから公表する事態も起こりました。
「天皇が亡くなったのではなく、上皇が亡くなった」とするためとされています。
そのため、歴代の上皇の人数は59人と半数近くも存在することになります。
1301年から3年ほど、5人の上皇が存在した珍状態もありました。
天皇1人に上皇5人とかかなり肩身が狭かったことでしょうね。
今上天皇も「生前退位」しましたら、「上皇」と呼ばれるようですよ。
皇后さまは「上皇后」です。
法皇はもっとも威厳がありそう。
法皇というもっともかっこよく威厳がありそうな名称は、「太上法皇」の略称ですね。
どういうお方がなれるかといいますと、上皇が仏門に入ると法皇となるのです。
その違いだけで、身分は上皇と変わりません。人物の肖像画で頭をまるめているお方は皆法皇となっています。
まとめ
今回は、天皇、上皇、法皇の違いを簡単に紹介してみました。
上皇…生前中に王位を継承者に譲った前天皇。
法皇…仏門に入った上皇。身分は上皇と同じ。
上皇、法皇が政治に関与してきて、天皇は肩身が狭いといったドラマをよく見かけます。
この関係を知っておくと、人間模様がもっと面白く見れるのではないでしょうか。
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