本日は「清少納言さん」について紹介していきます。
「枕草子」の作者で有名な清少納言さん。
納言さんはどんな時代、どのような人生を生きた方なのでしょう。
そして枕草子をどんな気持ちで書かれたのか…。
ライバルとされる「紫式部さん」との関係も紹介していきます。
※歴史上のことなので諸説あります。
この記事のあらすじ
清少納言、枕草子を書き始める前は?
966年頃、平安時代中期にお生まれになりました。
お父さんもお祖父さんも「百人一首」に名を連ねるほどの歌人です。
清少納言さんの名前もあります。ライバル紫式部さんの名前もあります。
本名は?
みなさんが知ってる「清少納言」という名前は通称で、定かではないですが本名は「清原諾子」だと言われています。
当時、本名を公にすることはなかったため、実名が判明していないことがほとんどでした。
清原姓の「清」に、こちらも定かではないですが近い親族に「少納言」という官職の方がいたからではと言われています。
ということは読み方は、「清少、納言」ではなく、「清、少納言」ということですね。
ちなみにライバル紫式部さんも、父が「式部丞」という官職でした。
15歳頃、名門橘氏の嫡男・則光さんと結婚します。同い年くらいの方です。昔の人はほんと早いですね。
翌年、長男がお生まれになります。この長男ものちに歌人となります。文芸家系ですね。
しかし、夫は武骨な性格で無作法なところが合わないと10年ほどで離婚してしまいました。やはり文芸家系の方は作法がなってないと我慢出来ないんですね。
25歳頃、20歳以上も歳の離れた貴族・藤原棟世さんと再婚しました。のちに長女がお生まれになりますが、このお方も歌人となります。とことんそういう家系ですね。
天皇の妻の家庭教師に?
28歳頃、天皇の妻・定子さんに仕えます。家庭教師みたいなものです。てか凄いですね!日本で一番の妻の家庭教師ですよ。
そして、定子さんから「清少納言」の名前をもらいました。
「枕草子」にはこの頃の宮廷での生活がつづられています。
定子さんは18歳で、10歳差であった2人はとても仲が良かったといいます。良い関係を見るのはいいですね。
しかしその幸せは長くは続きませんでした。
2年後、定子さんの父が亡くなります。
そうすると、定子さんの父の弟である藤原道長さんが力を持ち始め、自分の娘を無理矢理に天皇の妻にしてしまいます。
そして、定子さんの兄弟さえも道長さんは失脚させてしまったのです。
定子さんには少納言さんしかいなくなるんです。
ちなみにライバル式部さんは道長さんの娘の家庭教師になります。どこまでもライバルですね。
さらに悪いことは続きます。
少納言さんは実は道長さんのスパイではないかという悪い噂が立ち始めるのです。
仲の良かった2人。ついに少納言さんは定子さんのもとを去りました。お辛かったでしょう。
その後、定子さんも難産のため、亡くなってしまいました。
少納言さんはこの頃から「枕草子」を書き始めたそうです。
今からちょうど1000年前の日本ではこういう事が起きていたんですね。
枕草子とはどういうもの?
簡単に言うと、日本で初めての随筆。
随筆とは、自由な形で気軽に自分の想いを書いた文。いわゆるエッセイですね。
今では、日本三大随筆のひとつに数えられます。
ひらがなをふんだんに使い、現在でもとても読み易いものです。もちろんがんがん古典語ですが…。
読んでみると、1000年前でも人の想うことは一緒なんだなと感じさせられます。
日常生活の出来事や、四季折々の自然の観察が書かれていたり、宮廷での定子さんと一緒に過ごした楽しかった時のことだけが書かれています。
定子さんに降りかかった不幸は一切書かれていないのです。
辛い時期に書かれていた「枕草子」、どういうお気持ちで書かれていたのでしょうね。
紫式部との関係は?
結論から書きますと、2人は直接の面識はないと言われています。
少納言さんが宮廷を去った5年後くらいに式部さんは宮廷に呼ばれています。
少納言さんから式部さんへは何も言ってはいませんが、『紫式部日記』で式部さんは少納言さんのことを否定的な内容で書いちゃってますね。
ライバル視していたのは式部さんの方だったのでしょうか。
片方は無視しているのに、片方がいろいろ言っていると2人の立場や関係性が少し見えてきちゃいますね。
もし紫式部さんと出会っていたら!?
毎日が険悪です。毎日が戦争です。表面上は笑顔ですが。
紫式部さんの方がくってかかるイメージですかね。清少納言さんはそれを右から左へ受け流すー。
出会わなくて良かったのだと思いますよ。2人とも評価されているのだから問題なしなんです。
まとめ
「清少納言」と「枕草子」は知っていても、どういう生き方をしている方で、どういう内容のものなのかというのはあまり知られていないですよね。
定子さんと少納言さんの輝かしい時期と、そして不幸が訪れてしまう現実。
枕草子のキラキラした文の裏に隠された悲しい心情。
これを知った上で「枕草子」を読んでみるのもいいかもしれませんね。古典語がんがんですけどね。
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