織田信長さんが本能寺で自害したのち、織田家家臣は「柴田勝家さんvs羽柴秀吉さん」に二分されました。
そして起こったのが「賤ヶ岳の戦い」。
この戦いに勝利した秀吉さんは、天下取りへと進んでいきます。
その賤ヶ岳の戦いで活躍し武功を挙げた7人の若き武将たちがいました。
有名どころで言えば福島正則さんや加藤清正さんなんですが、今回は平野長泰さんというお方を紹介したいと思います。
「賤ヶ岳の七本槍」で唯一、大名になれなかったお方。
そう聞くとちょっと気になりませんか。
2016年大河ドラマ「真田丸」では、主人公・真田幸村こと真田信繁さんの上司で登場しています。演じられたのは近藤芳正さんでした。
いつもスルメをかじっていて、「こりゃ大名になれないわー!」って感じの役柄でしたね。
※歴史上のことなので諸説あります。
この記事のあらすじ
鎌倉幕府執権北条氏の末裔!?
北条氏は、鎌倉幕府をつくった源頼朝さんの妻・北条政子さんの家系で、執権政治を確立し幕府を動かしているほどでした。
執権北条氏は16代まで続きますが、鎌倉幕府は後醍醐天皇と室町幕府初代将軍・足利尊氏さんに滅ぼされ、その時北条氏も滅亡してしまいます。
生き延びた北条氏の子孫が横井氏を名乗り、平野長泰さんの母方が北条氏の血筋となります。
父方の家系ですと、長泰さんの父・平野長治さんのおじいちゃんは清原宣賢さんという公家の中でも最高幹部の公卿のお方だったのではという説があります。
もの凄い血筋の間に生まれておりますね。
豊臣秀吉家臣時代!
1559年に誕生した長泰さんは、20歳頃に羽柴秀吉(豊臣秀吉)さんに仕え、その3年後の「賤ヶ岳の戦い」で武功を挙げ、河内国(現・大阪東)3000石を与えられました。
その翌年の織田徳川連合軍との「小牧・長久手の戦い」でも活躍を見せ、さらに2000石の加増、大和国(現・奈良)5000石を与えられました。
38歳頃、秀吉さんから「豊臣姓」を与えられ評価はされていたはずなのですが、中々大名には遠いようです。
同じ七本槍の福島正則さんや加藤清正さんはこの頃には既に何十万石の大名となっています。
それはスルメもかじりたくなりますよね。
関ヶ原の戦いでは徳川派!?
関ヶ原の戦い!
平野長泰さん40歳頃、秀吉さんが亡くなったことを機に徳川家康さんが台頭してきます。
それを守らんと秀吉さんに大変気に入られていた家臣でもある石田三成さんが立ち上がるのですが、いかんせん三成さんは人気がありません。
三成さんは七本槍の面々とも仲が悪く、ほとんどが家康さんの方に味方してしまったのです。
そして、1600年の関ヶ原の戦いで家康さんが勝利し、徳川の世へと変わっていったのです。
長泰さんも家康方として戦いに参加していましたが、後の徳川幕府2代将軍・徳川秀忠さんの軍に加わっており、真田家との「第二次上田合戦」で敗戦し足止めをくらい、本戦に間に合わずに手柄を立てられませんでした。
本戦で活躍した他の七本槍との差がさらに開いてしまう出来事になってしまったのです。
大阪の陣!
関ヶ原の戦いより14年後、本格的な「豊臣家vs徳川家」の戦いが起こります。
長泰さんは豊臣家の恩のため、大阪に向かうことを家康さんに頼みますが、それ叶わず江戸での留守役となります。
家康さんは、関ケ原の戦いで自分に味方していても、元々は豊臣家に恩がある七本槍の面々を脅威に感じていたのかもしれません。
加藤清正さんは3年前に突然の病死。あまりの急さに家康さんの毒殺説もあります。
七本槍の1人・加藤嘉明さんも長泰さんと同じく江戸での留守役。
福島正則さんも江戸留守役でしたが、豊臣家に陰ながら支援したり、一族の中には豊臣方に付いた者たちもいました。
正則さんにいたっては、大阪の陣で豊臣家が滅亡すると、その4年後、台風によって破壊された城の修理を無断修繕と判断され、領地減封、さらにはその後、福島家は取り潰しにまでなってしまったのです。
明治時代に大名へ!
長泰さんは、大阪の陣以降は徳川秀忠さん直属の家臣である旗本として70歳まで長寿を全うしました。
その後、平野家は9代目まで5000石の旗本として続いていきますが、明治時代の新政府樹立の際に、10代目で遂に念願の大和国田原本藩1万石の大名となることが出来たのです。
しかし、3年後にはあの「廃藩置県」が適用され藩は無くなってしまったのですが。
まとめ
今回は、天下人・豊臣秀吉さんの下で活躍し「賤ヶ岳の七本槍」の1人に数えられますが、唯一大名になれなかった平野長泰さんを紹介しました。
なかなかチャンスを生かしきれず、主だった活躍を見せられなかった感じでしょうか。結構我慢の人生だったのかもしれませんね。
しかし、江戸時代に入り同じ七本槍の福島正則さんや加藤清正さん、加藤嘉明さんなどがお家取り潰しになっていく中、平野家は明治時代まで続いていき最後には念願の大名になったという結末が待っていましたね。
平野家のその時の喜びの顔が目に浮かびますよね。
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